防波堤

昧爽どきを通り抜けてたら

去り際

15センチくらい髪を切った。シャンプーのプッシュ数とか、ドライヤーの時間とか、気分だけじゃなくて、生活からも何グラムか差し引かれる。食生活が狂っていく以外は4、5月と変わらない生活を送っている。反省。軽やかになった髪に反して身体は重い。なんてことだ。

今までとは違う仕事をしたり、退屈を持て余したり。とにかく思考を巡らせる時間がある。雑事や睡眠などに時間を奪われても、尚あまりある時間。節制や理性を重んじて生活しているぶん、尚更開放する場所を求めてしまうのかもと思う。それは友人や家族、恋人だったとしても変わらずに。

先日半年ほど付き合った恋人と別れることになった。理由はいろいろ。私にも恋人にも思うところがあったはず。だけどこれは全部コロナのせいだ。その方がいっそ傷つかないし。ここ数ヶ月で積み重なっていった不和に、少なからず影響があったのは確かだし。

「別れよう」と発していたのは私の方だった。最良の選択だったかはわからないけど、いま選ばなくたって、いずれそうなっていたと思う。私がもっと優しい人間だったら、とも思うけれど。そこそこいい年齢の大人同士が、双方感情を表に出すのが下手くそで、いろんな綻びを修復しようとしなかった。私は私で、わかってもらえないならもういいや、と思ってしまった。遅かれ早かれ一緒にはいられなかっただろうな。

今日も家に引きこもって、数グラムの軽さを感じている。これはコロナのせい、と言いつつ要は自分の身軽さを選んだわけで。相変わらず人に優しくない自分に嫌気が差しつつ、今日も自分ばかり甘やかしている。