防波堤

昧爽どきを通り抜けてたら

年の瀬

実家を出て8年、初めて帰省しない年末年始を過ごす。

東京にとどまるので、せっかくだから恋人と年越しをすることになった。おせちをあれこれ作る気力はないので、親にレシピを送ってもらって煮しめを作っている。コトコトと煮える鍋を見ながら、ビールを飲みつつ、ブログを書く。いつもの実家の味になるだろうかと不安になりながら、醤油色に染まり始めたれんこんを見てほっとする。きっと、恋人と過ごす年末年始は楽しいだろうな。

10月に週末を利用して帰省していたので、今の状況を考えるとあのタイミングで両親や祖母の顔を合わせられたのは本当に良かったなと思う。年が明けても劇的に状況が改善することは多分ないだろうけど。

日常になりつつある手洗いうがい、マスク、ソーシャルディスタンス、消毒、時短営業。「なんでもないようなことが幸せだったと思う」だよ。ほんと。だっさい曲だなと思ってたけど、今だとそのワンフレーズだけ妙に沁みる。クソ。こんな変化はいらない。

こんな状況を日常にしてしまいたくない。真夜中まで飲んだくれて、どうでもいいことでゲラゲラ笑えるような日常が普通だったことを忘れたくない。来年末にはそんな事もあったね、あのときは大変だったね、とまたへべれけになって笑いたいな。